« 「アウシュビッツ」 | トップページ | 蹴球TVライヴ:鹿島アントラーズvs浦和レッズ(9/3) »

2005年8月25日 (木)

「タイムクラッシュ」

‘時間旅行’というテーマはSFのスタンダードで、それ自体は目新しくないけど、この映画の場合、ある意味とても今風な設定がされていて興味深かった。細かいところを見ればいくらでも突っ込めるし、民放地上派放送なのでどこかしらカットされてるだろうけど。

大災害や大事故現場からの無謀な突撃ナマ中継がウリのレポーター(これもありがちな設定)が、火災現場で仲間を死なせて以後、干されているところにカムバックのチャンス。過去の大災害の現場写真を見てレポートをまとめていたら、たまたま発見した(これもかなり安易と言えば安易)のが時代も場所も違う3枚の写真に映っていた同一人物としか思えない男…

この映画で時間旅行をするのは、70年後というあまり遠すぎない未来から来た低レベルな覗き趣味の連中。
過去の大事故や大災害の現場に飛んでギリギリのスリルを味わうモグリのタイムスリップツアー、という設定が不謹慎だが面白い。既に起こってしまった事で、過程や結果はわかっているから、自分は安全なところにいて、高みの見物を決め込める、まさに‘他人の不幸は蜜の味’。悪趣味の極みというべきか。
未来世界においてこの手の商売は時間管理官によって取締の対象になっていることを示唆する台詞もでてくるところをみると、いくら科学が進んでもやっぱり人間の本質は変わりないらしい。

主人公は自分の乗った飛行機内で写真の男に遭遇、墜落事故が起こる事を知りハイジャックもどきの非常手段に訴えて事故を阻止するが、それは未来世界にとって歴史の改変、時間軸を狂わせる行為、故に彼は未来人の殺人ターゲットになってしまう。が、彼を抹殺するのはそもそも違法な商売をやっている悪質業者の不始末の隠ぺい工作にすぎない。
人の不幸を見物して喜ぶ品性下劣な未来人に「歴史を変えてはいけません」と言われても説得力がない。観ている側も納得・共感できない。

‘時空を越えた壮大なロマン’のはずの時間旅行も、クズ人間の商売のネタにされるとまるでモダン・ホラーもどきの怖い話になってしまう。
主人公が息子を助けるために大活躍(?)したアイスホッケー・スタジアムでの大火災現場を別口のもぐりタイムスリップツアー御一行様がひっそり見物しているラストシーンも後味が悪いというより、暗い気分にさせてくれる。マイナーな問題作?

|
|

« 「アウシュビッツ」 | トップページ | 蹴球TVライヴ:鹿島アントラーズvs浦和レッズ(9/3) »

コメント

素晴らしい・・

投稿: paulmuadev | 2008年5月17日 (土) 04:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106595/5652526

この記事へのトラックバック一覧です: 「タイムクラッシュ」:

« 「アウシュビッツ」 | トップページ | 蹴球TVライヴ:鹿島アントラーズvs浦和レッズ(9/3) »