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2008年9月

2008年9月 2日 (火)

再度、新・水滸伝

千秋楽にもういっぺん観てきました。

やっぱり原作を知らない方が素直に見られたかもしれない。
何かというと原作はこうだった、とかほんとは違うんだけど、などとひそかに呟いている自分の心に気付くのであります。較べたって意味はないことくらいよくわかってるのに。

だいいちそれをいうならスーパー歌舞伎の「新・三国志」だって同じなわけ。でも、あれは素直に楽しめたんですよ。違いをわかった上で。物凄いご都合主義にすら感動した。それくらい、完成度の高い舞台だった(私がいうのはおこがましいが)のかもしれない。逆に言えば今回の「新・水滸伝」はそういうレベルに達していないってこと?うわぁこれも私がいうのはおこがましいっ。

しかし!

はっきり言って不満をあげればきりがない。

前回も書いたけど、林冲がどうしてこうひいきされるがごとく主役になるのかよくわからない。水滸伝中、日本人の好きそうなキャラは他にもいると思うし(関羽の子孫だっているのに!)、正義漢なのに心ならずも罪を犯してすさんでしまうという設定なら林冲でなくともいい。官軍出身の軍人上がりという設定のキャラも他にたくさんいる。今回の舞台に登場している花栄も林冲と全く同じ立場なんだけど、どうして彼じゃ駄目なの?
別に林冲が嫌いなわけではないですが…たとえば林冲と敵役の高逑(本当は‘にんべん’に求なんだけどうちのMACでは入力できないので「新字源」に出ていた同音同義字を入力しときます)の関係を説明するなら原作のように彼の美人妻に高逑のバカ息子が横恋慕した(そのために林冲は陥れられ流刑、妻は自害)エピソードの方が分かりやすくて自然で良かったんじゃないかと思う。そうでなくとも高逑をはじめとする高級官僚の腐敗ぶりを説明するエピソードが足りない気もするし。まあ上演時間2時間では制約も多いでしょうが…

ところで。
プログラムに舞台写真がないので、写真がみたくてグーグル検索。
新・水滸伝を観た方のブログがヒットしたのでのぞいてみたら、舞台役名のネーミングに対する不満が。つまり、女性キャラ3人とも立派な二つ名前があるのに何でそれを使わず変な翻案するんだ?って。
私個人は観劇中にはそれほどネーミングにこだわりなかったけど、そういう不満を感じる気持ちはよくわかる。

ちなみに、顧大嫂=母大虫、孫二娘=母夜叉、扈三娘=一丈青。

特に扈三娘は青華なんてある意味陳腐な名前より‘一丈青’の方がかっこいいと
私も思う。顧大嫂の‘母大虫’は雌虎という意味だそうで、笑三郎さんの鉄火な大姉御には確かに‘姫虎’じゃイメージ的にむしろ不足なくらいでございます(笑)。

なんていうか、原作を生かす部分と、創作して膨らませる部分の整合性に欠けるというか、うまくこなれていないというか、そんな気がします。

原作と違うのは全然構わないし、割り切って観ることもできますが、今回の「新・水滸伝」は、原作を知る者が観ているうちに原作と比較してささいなことにこだわってしまうような気分にさせないだけのパワーが足りないです。
あとは原作を全く知らない人の意見がどうなのか、ですね。

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