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2009年9月11日 (金)

「意志の勝利」見てきました

先週満員で断念したリーフェンシュタール監督作品、仕切り直し鑑賞。
昨日はぎりぎりで行っても空席あり、余裕で入れましたhappy01

全編モノクロですが、保存状態よく思ったよりきれいな画像。
オープニングはヒトラーが飛行機でナチス党大会開催地ニュルンベルクへ向かうところから。といっても飛行機の中から空と雲を写しているだけ。
その後はニュルベルク市街地を上空から写しつつ、視線が地上に降りてくる。旅行PR用にも使えそうな画。これ、爆撃で破壊される前のニュルンベルクの姿なんだなぁ…

おおまかに言えば、大イベントに湧くニュルンベルクの街角風景をところどころに挟みつつ、党大会そのもの、それも、見る人の気分を際限なく高揚させるようなシーンの連続。
総統を迎えて熱狂する市民、総統の演説とそれに答える聴衆の歓呼、観閲式、パレード、軍楽隊、ヒトラーユーゲントのレクリエーション、夜間集会の松明行進…

見ていて思い出したのは、小学校の運動会。
鼓笛隊、入場行進、ダンス、マスゲーム…
集団演技をやっていたときの、演技する側の気分と、見る側の気分。
一糸乱れずビシっと決まったときに、見る方もやる方も持つある種の‘快感’。
あれを国家的規模でやっていたんだ。
ナチスの隊列行進の見事さは、幾何学模様を描く域に達していて、レベルが違います。
比較にならんものと比較するな、ってひとりツッコミ。

運動会と決定的に違う(笑)のは総統演説。
原稿なしで、よどみなく、力強くまくしたてるヒトラーの雄弁は迫力としかいいようが無い。鬼気迫る、あるいは、つばが飛んできそうなイキオイがかえっておぞましい、とも言える…ヴォキャブラリー貧困だ、自分。
(日本の政治家の演説−原稿棒読み、迫力どころか感情のかけらもないあれが演説と言えるなら−は、あまりに情けない)
これが、若い頃は画家志望のおちこぼれで、ホームレス経験ありの成り上がりおやじか。
出自にかかわりなく人を惹き付けるカリスマ的な何かがあったことは確かだと思う。
うさんくさいと思うのは、あの後何が起ったか知っている後世の人間だから。
当時のドイツでこの渦中にいたら私も間違いなく腕を上げてジーク・ハイル!と叫んでいたに違いない。
あまりにも見事な整然とした群像ドキュメンタリーの裏にどれほど恐ろしいものが隠れていたか。
美しく整い過ぎ、一点の曇りも無いもっともらしすぎるものを見ると、疑ってみる習性は人間に絶対必要。
ストップ地球温暖化、とか、テロとの戦い、とか、エコ、とかいう誰も異を唱えられないような言葉の裏にもいろいろきな臭く生臭いものがあるようですので。

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