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2010年9月23日 (木)

秋の美術展めぐりその3

21日、熱海・MOA美術館に行ってきました。
尾形光琳の‘紅白梅図屏風’があるので行ってみたかったheart02でもコレ常設展示してないので今回は残念ながら観られずdespair
※館内ショップの係員に確認したところ、年によって展示期間が変わるのでその都度確認して欲しいが、2月は確実に展示されるとのこと。

まあ今回は熱海の花火見物に叔母が誘ってくれたのに乗っただけなので、紅白梅図はまた次回。現在開催中の「パリに咲いた古伊万里の華」を堪能しました。

ところで。
このMOA美術館、熱海駅に近い山の上にあり(車で行けば10分かそこら)、展示フロアはオーシャンビュー。館内レストランも窓際はオーシャンビューらしいです(お昼時なのでふさがっていたため奥の席でお茶した)。
全体的にスペースをかなりゆったりとっていて、入口から展示フロアまでエスカレーターに乗って延々昇ります。ビル5〜6階分かそれ以上はあるかも。このエスカレーターホールがすごい。天井がかまぼこ状ドームになっていて、エスカレーターの動きを追うようにライトの色がゆっくり変わる。展示フロアまでの途中に円形ドームがあって、これが何とも言えず厳かな雰囲気。
タクシーの運転手さんによると某新興宗教教団の運営だそうです。妙に納得。

さて「日本磁器ヨーロッパ輸出350周年記念 パリに咲いた古伊万里の華」展。
メインは17~18世紀の海外輸出用の古伊万里磁器。中国の技術を取り入れ、模倣→独自の発展・中国磁器との競争→欧州磁器の発展・輸出衰退、と大きな時系列にそった展示と解説がわかりやすくてよかった。染付と色絵のちがいとか、競争時代の有田磁器と景徳鎮磁器のちがいとかコラム的な説明もあって親切。さらに詳細を知りたかったらカタログを、というわけです。
※ちなみに有田焼と伊万里焼は同じと考えていいようです。詳しくはウィキペディアで検索を。

展示品は圧倒的に大小のお皿が多い。輸出用なので、日本では使わないであろうワイン・ジャグ、ビール・ジャグ、チョコレート・カップとかコーヒー・ポットなんてのもあり。カップは最初取っ手無しだったので、お茶碗か湯呑みといっても通用しそうです。あまりに巨大なお皿や壷など、何を入れたんだろうと頭をひねってしまうのは現代人(のそれも庶民)目線だから?
解説によると、大きな壷や瓶は宮殿の装飾用として、欧州の王侯貴族からの注文で作られたとか。もちろん直接注文するのはオランダ東インド会社だけどね。社内用に東インド会社のマーク入り磁器というのもあり。
変わってるのは髭皿。欧州で理髪師がひげ剃りの時に使った(瀉血する時の血の受け皿にも使ったそうな…げっ)という道具ですが、2つ穴にひもを通して首にかけ、反対側をあごにあてるため半円形の切り欠きがついている。これは殆ど見たことがなかった。ドレスデンの陶磁器コレクションの中にあっただろうか?(見たけど忘れてるだけかも)華麗な色柄の髭皿はもちろん王侯貴族用。装飾用でなく日常使用品ならコレクションには入れないかも。
初期の輸出品は日常生活用品が主だったので青1色の染付ばかり。絵柄もそんなにごてごてしてない。やがて王侯貴族向けの装飾性の強い大型の色絵磁器が増える。17世紀末から18世紀初めの元禄様式の磁器は華麗でいかにも宮殿に置いて目立ちそうなのが多くて、中には空間恐怖症みたいに皿一杯に模様を描き込んだものも(こうなるとちょっとセンス悪い感じがするな)。

17世紀前半つーと中国はちょうど明から清へ代替わりする頃で、内乱状態にあったため、中国磁器の輸出が減ったから、かわりに有田に輸出用の磁器生産の注文が増えた、というのがその後の日本磁器の発展の一因。絵柄も中国ものの模倣から日本の独自性が出てきて、どんどん日本的になる。筍と竹、桜や梅・菊、富士山、女性像は日本の遊女風に。その後清朝が中国統一して安定すると景徳鎮磁器の輸出再開。市場競争になり、デザインでは評価されても、量や価格で中国製品にかなわなくなる。1757年に公式輸出終了。
18世紀後半になると全体としてアジアからの陶磁器輸出が衰退。その理由としては、マイセン磁器の発展→欧州内での磁器大量生産のはじまり、産業革命etc…そして疾風怒濤の(coldsweats01)19世紀に突入。おおざっぱに言うとこんな感じの歴史になるようです。

鎖国の時代でも、日本は確実に海外とつながっていたという証明が古伊万里なのですな。

※ここまで書くために“有田焼/伊万里焼”検索したり、ちょっと勉強してしまいました。有田は江戸時代19世紀に入るまで日本で唯一の磁器生産地だったんだ〜〜へぇ〜〜
瀬戸とか信楽とかはもっと新しい磁器なんですね…ホント自分の足元のことはぜんっぜん知らないんだなぁthink

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